瓦屋根は地震に弱い? それが間違っている理由とは?

瓦は地震に弱いという印象を持っていらっしゃる方がいます。
カラーベストやガルバリウム鋼板など他の素材と比べると、重量があるというのがその主な理由となっています。
確かに他の屋根材と比べて重いのは事実です。
ただ、それだからといって瓦が地震に弱いということを意味するわけではありません。
 
 

屋根瓦は地震によって落ちるからもろいというのは誤解。

また古来の瓦は地震によって落ちやすくなっています。
それは屋根に重量がある瓦が落ちることで家そのものが倒壊する恐れを回避するためです。
瓦が地震で落ちるのは地震から、身を守るための古人の知恵とも言えます。
また近年の住宅では施工法が変化し、瓦を固定する工法に変化していきました。
じゃあ重くなったものを固定するようになったから倒壊するようになったのかと言われるとそうではありません。
確かに倒壊した家の中には屋根が瓦の家がありました。
ですが倒壊する家というのは屋根が瓦であるかどうかよりも重大な問題があります。
 

屋根の重量は耐震性能にさほど影響を与えない。

また建築基準法が1981年6月に改正されており、屋根の重さを考慮した構造計算が義務付けられています。
屋根の重量は地震への弱さに影響するのでしょうか? そんなことはありません。倒壊のしやすい家は違うところにその要因があります。
その主な要因とは、構造の脆弱さと、地盤の弱さです。
 

地震への強度を決定づけるのは「構造の強さ」

地震によって倒壊するかしないかを最終的に決定づけるのは構造躯体です。
構造にしっかりとした柱が使われているのか?
窓や玄関などが偏っていないか?
その方が地震で倒壊するかどうか検討するうえでは重要度が高いです。
 
 

地盤の悪さが悪影響を与えることも。

仮に地盤が脆弱な場合、どんなに中の建物がしっかりしていても倒壊のリスクは飛躍的に高まります。
近年では地盤調査を行ってから建築をしていくことが一般的です。
今後も住み続ける大切なお家ですので地盤の良しあしについては必ずしっかりと確認することをお勧めいたします。
 

屋根材の良しあしは地震への強さでは決まらない。

屋根材の瓦を導入するかどうかを検証するときに耐震性の観点から考えるのはあまり有用とは言えません。
世の中にどんな地震でも絶対に倒れない建物というものは存在しません。
近年の構造計算や建築基準法の改善により、倒壊するリスクは以前の建物ほどの心配は不要になっています。
また瓦には他の屋根材と違ってメンテナンスにかかる費用が少なく済むのが特徴です。
それに関してはこちらをご覧ください。
瓦の屋根はメンテナンスフリー?ロングセラー瓦のメリットを紹介します。
瓦や他の屋根材とぜひ比べてみて、自分が最も気に入って物を使ってみるのが一番お勧めです。

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