三重県四日市市で純和風木造建築やリフォームを手掛け「愛すべき日本の家」づくりを目指す、小川建築です。
土壁が良いと思うけれど、値段的にちょっと……、という人もいます。
また一概に安いからといってビニールクロスの家が悪いというわけでもありません。
弊社では土壁と木組みの家を特に得意としていますが、ビニールクロスなどを用いたお家を建てることも可能です。
今回は土壁とビニールクロスの違いについて比較していきたいと思います。
ビニールクロスのメリットとは
ビニールクロスの特徴は施工性の高さです。
時間をかけることなく施工でき、施工費と工期を抑えることができます。
・施工性が高く・工期が短いため、費用を抑えられる
土壁と比べると、塗ってから乾燥させるという工程が不要となるため工期が短いのが特徴です。
土壁の場合は3ヶ月程度乾燥させていく必要があるため、その分工期がカットされます。
また手間もかからないため、施工費も抑えることができます。
・デザインが豊富で選択肢が広い
特殊なプリントを施していたり、色味も豊富に揃っているのもクロスの特徴です。
柄も様々にあり、その中から好みの色を選べるのでデザイン性の幅が広いのが特徴です。
・汚れを拭き取ることができる
少々の汚れならば拭き取ることで、掃除することができます。
・グレードをあげることで防カビや防火性をあげることができる。
グレードやメーカーによって様々な仕様があります。防カビ剤が入っている場合もあれば防火性に優れているものもあります。
土壁は防火性やカビには強いですが、クロスでも多少は対応することができます(環境によってはカビが生えることもございます)。
ビニールクロスのデメリット
ビニールクロスは安価で施工性も高いですが、それゆえの弊害もあります。
・素材感はない
ビニールクロスは素材が合成製品のため、パターンこそ豊富ですが、素材感は大きく変化はしません。
・年月が経つと劣化する。
ビニールクロスは時間が経つと徐々に劣化していきます。
剥がれが生じたり、紫外線などで色が変化していきます。
そのため張り替えの必要があり、10年程度で張り替えが必要になります。
・部分補修は困難
またビニールクロスは部分補修が困難です。
パッチワークもできなくはないのですが、一般の人が補修をするのは困難です。
見た目にもわかる場合が多く、あまりおすすめではありません。
・アレルギー反応が出ることがある。
また接着に化学物質を使うため、化学物質特有の匂いが出る場合があります。
化学物質に弱い人はアレルギー反応が出ることもあります。
そういった人にはビニールクロスはあまりおすすめとは言えません。
土壁のメリット
土壁は施工性こそビニールクロスに譲りますが、様々なメリットがあります。
詳しくはこちらにも書いてありますが、ここでも簡単に紹介します。
エアコンなしでも涼しいの?土壁のメリットとデメリットとは?
・アレルギー対策になる
土壁は基本的に化学物質を使わないため、アレルギーへの対策になります。
・快適な空間を作ってくれる。
土壁は調湿性や調温性があるため、快適な空間を作りやすくなります。
・ランニングコストが抑えられる。
ビニールクロスと違い張り替えは必要ないため、ランニングコストは抑えることができます。
初期の施工費こそやや高くなりますが、張り替えの費用は抑えられます。
長期的に見ると、価格差はそこまでないと思っています。
調湿性があるため、カビなども発生しにくい空間になります。
・塗り方で表情が出る
仕上げの塗り方で表情が変わります。
わざとコテのムラを出すことで独特の陰影や手作業ならではの味わいが生まれるのも
もちろん平に仕上げることもできます。
そういった特徴を楽しむこともできます。
・防音性もある。
土壁は音を吸収する吸音性があるため、音が外部に漏れにくくなっています。
土壁のデメリット
土壁ビニールクロスにはない様々な特性がありますが、土壁にもデメリットがあります。
・施工に時間がかかり、施工費がやや上がる。
土壁は乾燥期間を取らなければいけないため、施工費がビニールクロスより高くなる傾向にあります。
・画鋲は刺さらない
ボロボロとなってしまうため、画鋲をさすことはできません。
・ヒビが入ることがある
乾燥の過程でヒビが入ることもあります。
土壁はある程度硬くなってからも、少しずつ3年ほどかけて水分が抜けていき乾燥していきます。
特にファンヒーターやエアコンが直接当たる場合はヒビが入りやすくなります。
建物のかどの部分はヒビが入りやすい部分です。
お客様にとって「一番いいお家」を作ることを大切にしています。
土壁にもビニールクロスにも様々なメリットがあります。
土壁には土壁にしかない魅力がありますが、一概にビニールクロスが悪いという話ではありません。
私たちは土壁や木組みの良さをよく理解していますが、それをお客様に押し付けるつもりはありません。
大切なのはそれぞれのメリットとデメリットをよく理解した上でお客様にとって最適な家を選ぶことではないでしょうか。
その参考となれば幸いです。
小川建築への問い合わせはこちら