日本の住宅の平均寿命は約30年といわれています。
アメリカやイギリスでは100年を超えるといわれており、他の国と比べると、大幅に短いです。
これは、高度経済成長を背景とする、日本の家作りに要因があります。ここではなぜ、日本の住宅の寿命が短いか、理由を解説します。
目次
日本の住宅の寿命が短い理由は
日本の住宅の寿命が短い理由は、大まかにいえば以下の4つです。
- 新建材の利用
- メンテナンスをしていない
- 高気密で湿気がこもりやすい
- 経年劣化で美観を損なう
次で詳しく解説します。
①:新建材の利用
新建材とは科学技術を使って作られた建材のことです。塩化ビニールやプラスチックなどの素材が含まれています。
合板フローリングや外壁のサイディング、スレート屋根、石膏ボードなど、家の様々な場所に使われています。
これらの材料の大きなメリットは、材料費が安価であることです。価格が安く、住宅を安く建てられるため、広く使われてきました。
その反面、新建材は耐久性は長くはなく、いずれ劣化してしまいます。そのため、30年を目処に交換が必要となるケースが多いです。
②:メンテナンスをしていない
メンテナンスをしていないことも問題です。特に新建材の住宅は10年から20年を目処にメンテナンスが必要になります。
しかし、そのメンテナンスのために100万円近くの費用がかかり、安くはありません。ただし、メンテナンスをせず放置しておくと、建材がダメになり、住宅の構造を支える躯体にもダメージを与えます。
③:高気密で湿気がこもりやすい
近年の住宅では気密性が重要視されています。気密性があることで、エアコンなどの効果が高まり、省エネ効果が期待されるためです。
これ自体が悪いことではないのですが、高気密の住宅では湿気がこもりやすく、カビが生えやすくなります。
定期的に換気していれば、問題ありませんが、換気を怠っていると、壁紙だけではなく、住宅本体にもダメージがおよぶ可能性があります。
④:経年劣化で美観を損なう
経年劣化とは、時間が経過することで材料が劣化していくことです。特に新建材はこの影響を受けやすく、見た目もボロボロになってきます。
どれだけ丁寧に手入れをしていても、新建材で建てられた住宅は80年ほどで建て替えが必要といわれています。
そのため、見た目が新しい家にしたい場合、リフォームではなく、新築で建ててしまった方がよいと考える人も多いです。
住宅を長持ちさせるためには、お手入れが不可欠
この記事では日本の住宅が30年しか持たないといわれる理由について解説しました。
新建材は耐久性がなく、何もせずに放置しているとすぐにダメになります。そのような事態を避けるためにはこまめな掃除や状況に合わせたメンテナンスが大切です。
住宅を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスを大切にしましょう。
また、長持ちする家を希望するのであれば、新建材を使わず、自然素材を多く使った住宅がおすすめです。
小川建築では木組みと土壁での家作りを行っており、新建材を使わない長持ちする家を作っています。