三重で木組みの家づくりを行なっています。小川建築です。
・周りの生活音が気になる!
・自分たちの生活音が周りに聞こえていないか心配
・ピアノを弾くので、防音をしっかりしたい
そういった人には土壁で施工するのも一つの選択肢です。
土壁は温度や湿度を快適になるよう調整してくれたり、耐火性能も高い素材ですが、それだけではなく、防音性能も高い素材なんですよ。
目次
土壁がもつ2つの音に対する性能
土壁は遮音性と吸音性という2つの性質を併せ持つ素材です。
その2つの要素を同時に併せ持っているからこそのメリットもあります。
それぞれの要素について紹介していきましょう。
・土壁は遮音性が高い
音とは空気の振動です。振動を一切通さなければ音はそこを通過することはできません。
そういった振動を通さないという性能が遮音です。
一般的に重量があればあるほど、遮音性が高まります。
ですので、鉛・鉄・コンクリート・砂などのように比重が重いものであるほど、遮音性は高まります。
土壁もまた比重が重く遮音性が高い材料の一つです。
厚みも重要な要素です。コンクリートは比重が重い材料なので、防音性は高いのですが、重量が足りていなければ音が漏れる危険性があります。
土壁もそう言った点では同様ですが、70mm以上の厚みを出すことができるため、防音効果が非常に高い素材になります。
・土壁は吸音効果も高い
例えば布団を被って大声を出してみても、周りに音はあまり聞こえません。
それは音が繊維のような多孔質なものに入ると、繊維と繊維が激しく振動しあって摩擦を生じるためです。
それによって音のエネルギーが摩擦熱に変化した結果、音があまり響かなくなります。
それが吸音の仕組みです。
特に高音ほど、振動が激しいので、吸音効果がより強くなります。
セルロースファイバーという断熱材があります。
新聞紙を細かくして繊維状に加工した断熱材です。
そちらにも防音効果があるのですが、セルロースファイバーの防音性はその吸音効果によるものです。
土壁も細かい気孔をたくさん持っているため、吸音性が高くなっています。
土壁は遮音性と吸音性という2つの防音の仕組みを持っているため、他の材料よりも防音性能が高くなるのです。
土壁はオーディオルーム・楽器演奏にもおすすめ。
ピアノを弾く人や、オーディオルームでしっかりと音響設備を整えて聞きたい人にも土壁はおすすめです。
コンクリートなども防音性能が高いのですが、音が大きいと、中で反響してしまい不快な音になってしまうことがあります。
その点土壁は、吸音性能が高く壁が音を吸収してくれます。
無闇に音を反響させないため、音が心地よく聞こえる空間を作ることができます。
実際にコンサートホールなどでも、漆喰などの多孔質な材料を用いられていることもあるんですよ。
楽器をどのように設置するかにも影響しますので、そういった音響面にこだわりのある方は事前によく打ち合わせをするようにしましょう。
二重サッシ・床への対策も忘れずに!
土壁は間違いなく、防音性に優れた素材なのですが、床やサッシから漏れるケースもあります。
いくら土壁が防音性能に優れていても、それとは関係のない場所から音が漏れることもあります。
特に床やサッシは音が漏れやすい箇所なので、要注意です。
そういった対策を最初にしておかないと、家全体の防音性能は損なわれてしまいます。
遮音性だけではないプラスアルファの効果も
土壁が持っているのは防音性能だけではありません。
湿度を快適にしてくれる調湿効果も、耐火性能もあります。
土壁にはそういった面でも、メリットがあります。
土壁の温かさの秘密とは?
土壁のメリットとデメリットについてはこちら
音質と生活環境にこだわるなら土壁がおすすめ!
土壁は防音性能が高く、それ以外にも様々なメリットがあります。
・ピアノや楽器を安心して演奏したい人。
・オーディオルームを設置して音質にこだわりたい人
・外部の騒音が気になる人
・自分たちの生活音が漏れないか心配な人
以上のような人たちにも土壁はとてもおすすめです。
ぜひ一度検討してみてくださいね。