土壁を塗るときには、土と水、あとワラを混ぜて作るのが一般的です。
土と水はわかるけどワラをなぜ入れるのか、いまひとつピンとこない人もいるのではないでしょうか。
しかし、土壁にワラはなくてはならない役割を果たします。
この記事では土壁にワラを入れる理由について詳しく紹介します。
土壁にワラを入れる理由
土壁にワラを入れる理由は以下の効果があるからです。
- 土壁の「つなぎ」の役割を果たす
- 発酵し繊維が細かくなる
- 発酵し発生した成分が接着剤の役割を果たす
では次で詳しく見ていきましょう。
土壁の「つなぎ」の役割を果たす
土壁にワラを入れるのは、土壁の「つなぎ」にするためです。
住宅の基礎やコンクリートには強度を保つために鉄筋を入れますよ。
土壁にワラを入れるのはそれと同じ考え方です。
土壁を塗る前には竹で編んだ小舞という部材がありますが、これも同様です。
土壁にワラが入っていることで、土壁に強度を持たせられますよ。
発酵し繊維が細かくなる
土壁に含まれたワラは寝かせることで発酵していきます。
ワラが発酵することで、ワラが細かく分解され、繊維状になります。
繊維がより細かくなることで、土壁が滑らかになり、施工性が高まります。
発酵し発生した成分が接着剤の役割を果たす
土壁が発酵する際、リグニンという成分がワラから溶けて土壁に混ざります。
このリグニンという成分は接着剤の役割を果たすため、土壁に強度が出ると言われているのです。
土壁のワラは強度を持たせるための大切な材料
この記事は、土壁に含まれるワラがどんな役割を果たすのか説明しました。
具体的には以下の役割がありましたね。
- 土壁の「つなぎ」の役割を果たす
- 発酵し繊維が細かくなる
- 発酵し発生した成分が接着剤の役割を果たす
これで土壁に含まれるワラは土壁の耐久性に重要な役割を果たしていることがお分りいただけたのではないでしょうか。